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台湾電気加工技術の交流と展望

-「台湾電加工学会」設立の経緯-
Prospect and Exchange of Electrical Machining Technology in Taiwan - Establishment Background of Taiwan Society of Electrical Machining Engineering -

顔 炳華*

Biing-Hwa Yan


  2013年12月26日に「台湾電加工学会」が正式に設立した。 小さな学会でありながら、台湾電気加工分野の研究者と電気加工関係業者の祝福の中に設立した。この学会の発足に随分前から関心を寄せてきた一人として、学会設立の経緯を「日本電気加工学会」の皆さまに報告します。
  ご存知のように、近年アジア諸国、特に中国の経済的な躍進に伴い、日本だけでなく、輸出を経済発展の柱としてきた台湾も非常に厳しい競争環境に直面している。多くの企業が生存のため、工場を人件費の安い海外に続々移転する。そのため、台湾の製造工業がかなり空洞化になったといっても過言ではない。しかし、このように人件費の低下ばかりを追求する道は決して企業生存の王道ではない。生産技術、または機械や部品の品質を限りなく追求することこそ、企業が永続に発展の正しい策略である。近年、そのような認識を持つ企業が社内に研究センターや研究部門を作り、さらなる高度な製品開発に力を注いでいる。そのため、大学や法人の研究機構に学術的な支援を求める要望が強くなった。これらの会社の要望に答え、10年以上も話しが続いたが、いろんな理由で設立できなかった「台湾電加工学会」が漸く、設立の機運が成熟となった。
 

* 台湾国立中央大学機械工程学系、台湾電加工学会理事長

 最近台湾の電気加工業界では、放電加工だけでなく、レーザ加工、電解加工、超音波振動加工など、いわゆる非伝統的な加工技術も生産に活用されている。また、これらの設備も国産化になっている。特にワイヤ放電加工機の進歩が飛躍的になったと言っても過言ではない。例えば、台湾の代表的なメーカ、業界No.1のCHMER社のワイヤ放電加工機の業績は、すでに世界第5位になった。5年後には世界第3位になれるよう、営業面にも技術面にも、さらなる努力をしなければならないと、CHMER社の王武雄社長が意気揚々に話してくれた。そうなれるため、今後、「台湾電加工学会」を通し、産官学の三者協力が欠かせない。大学の研究成果と人材育成は、如何に業界の需要にマッチするか、今までは大きな問題である。「台湾電気加工学会」の存在は、産官学三者の共同協力で、共生共栄がより実現されやすい環境の構築に期待されている。
  「台湾電加工学会」発足の主要メンバーの中に、元東大生研の増沢研究室の出身者は3人がおり、いずれも台湾の国立大学で活躍しています。皆さんが「日本電気加工学会」に縁が深く、今でも多くの友人がおるため、今後日台両学会間のパイプ役として働いてくれると思う。生まれたばかりの「台湾電加工学会」が如何に運営、または如何に学術的活動を通して社会に貢献するか、模索しながら前進するが、先輩としての「日本電気加工学会」の諸先生の応援に多いに期待している。特に両学会間の学術的活動を通し、台湾の産学の技術・研究のレベルアップの実現、末永く健全な発展を希望する。

        以上、簡単ながら、「台湾電加工学会」設立の経緯を「日本電気加工学会」の関係諸先生に報告いたします。